【番外編】中部地方某所でカネヒラ、アブラボテ、カワヒガイ、デメモロコ、トウカイヨシノボリ、カワバタモロコ ほか
どーも。ギョッツ2号です。
今年もよろしくお願いします。
かなり久々の更新となってしまいました。完全に怠慢です・・・すみません(-_-;)
去年は流行り病で大変な年でしたね。今年はどうなるか分かりませんが、密を避けつつ、完全防備でたまーに採集に行きたいと思います。採集場所は絶対に密にならない、というのが魚採集の強いところです。
今回は、先日(2020年)もーさん、ショータニ氏と一緒に中部地方に採集に行ったときのことを書きたいと思います。ご案内してくださったのはもーさんです。いつもありがとうございます。
ポイントはそれぞれこのような場所でした。(PC版のサイトの方が見やすいかもです)
どのポイントも両岸が護岸されている水路でしたが、どこも自然度が高く、魚や他の生き物が沢山いました。底はどの場所も軟らかい泥で、関東では絶滅の危機に瀕している二枚貝や水草がごく普通に見られました。
成果報告です。
カネヒラ Acheilognathus rhombeus コイ目コイ科タナゴ亜科
本ブログには久々の登場。綺麗なオスです。ここの地域では国内外来種である説と在来種である説があるみたいです。どちらなんでしょう。
アブラボテ Tanakia limbata コイ目コイ科タナゴ亜科 準絶滅危惧(NT)
初採集です。複数個体確認しました。オリーブ色が美しいです。
カワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus variegatus コイ目コイ科カマツカ亜科 準絶滅危惧(NT)
初採集です。私が1個体捕獲しました。おそらく偶然私の網に入ったのだと思います。
これまでは、「カワ」ヒガイという名前なので清流にいる魚だと思っていました。捕れたのは泥っぽい用水路だったので、とても意外な感じです。
とても可憐な感じがする魚です。ビワヒガイと比べて吻が短いのですね。顔が幼い感じがします(魚が若いのもありますが)。
デメモロコ Squalidus japonicus japonicus コイ目コイ科カマツカ亜科 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
初採集です。3人で数個体採集しました。同じ川でも、場所により個体密度が全く違うそうです。
ここの個体群は濃尾平野集団というそうで、体は小さく繊細な感じです。体ががっしりしてごついイメージの魚だったので驚きました。ごついのは琵琶湖集団というそうで、琵琶湖のみに生息しているそうです。
琵琶湖のみなさん~、どうしてそんなに大きくなっちゃったんですか~?
まじめにやってきたからよ
イトモロコ Squalidus gracilis gracilis コイ目コイ科カマツカ亜科
初採集です。3人で数個体(ほぼもーさんとショータニ氏)が採集しました。
特に特徴のない魚のような気もしますが、なんというか・・・かっこいいです。タモロコをシャープにした感じです(語彙力なし)。
本種は、関東地方に国内外来種として定着しているらしいです。電車で5時間かけて捕りに行って何も捕れなかったけど・・・
ゼゼラ Biwia zezera コイ目コイ科カマツカ亜科 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
初採集です。2個体ほど捕獲しました。とてもか弱そうな本種ですが、捕れる時にはもっと捕れるんだとか。どうやって生き延びているんでしょう・・・・。
カワバタモロコ Hemigrammocypris rasborella コイ目コイ科オキシガスター亜科 絶滅危惧ⅠB類(EN)
初採集です。メダカの群れを掬うと、2~3匹混じっているような感じでした。
先日、本種は「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定されました。そのため、飼育目的でのインターネットや店頭での販売が禁止となっています。
指定される基準の概要をまとめると「生息地が消失しそうであるか、もしくは生息地の環境がとても悪化している」「個体数が著しく減少はしていない」「生息地さえ保護すれば個体数が回復しそう」な種だそうです。
販売目的での乱獲が防がれるのはとても良いですね。いつかは町のどこでも見られる魚に戻って欲しいです。
トウカイヨシノボリ Rhinogobius telma スズキ目ハゼ科ゴビオネルス亜科 準絶滅危惧(NT)
3人で数十個体ほど捕獲しました。個体数は多かったです。
同じ場所に同じくらいの大きさのトウヨシノボリが生息しており、どうして雑種ができてしまわないのか不思議でした。
本種が生息する水路はランダム(?)で存在しているそうです。ある水路にはいて、その隣の水路にはいない、というようなことが起こるそうで、不思議です。生息場所の好みがあるのですかね。人間の目には全部同じ水路に見えます・・・
その他にヤリタナゴ(準絶滅危惧)、ドジョウ(準絶滅危惧)、トウヨシノボリ、ミナミメダカ(絶滅危惧Ⅱ類)、コイ飼育型(国外外来種?)などが捕れました。
また、マツカサガイ?らしき二枚貝なども多数網に入りました。個体数はかなり多かったです。タナゴ類がいるのも納得。
ショータニ氏がオオクチバス(国外外来種)を捕まえていました。たいへん。可哀想ではありますが駆除しておきました。
まとめ
今回もまたもーさんに「おいしいところ」だけをご馳走になってしまいました。いつも本当にありがとうございます。
たった1日間の採集でここまで沢山の魚に出会えるとは・・・中部地方おそるべしです。
これだけ魚が見られたのは、やはり自然が豊かであるということが大きいと思います。住宅街の水路に水草がたなびいていて、その合間をタナゴ類やメダカが泳ぐ風景。田んぼの脇の素掘りの水路にモロコが泳ぐ風景。他にもたくさんの素晴らしい風景を見ました。
それらの風景は、関東近郊ではその多くが失われてしまった風景に似ている気がしました。でもいつか私の家の近くで、いや関東地方の広い範囲にわたって、そんな素敵な風景が広がるようになるのを祈ります。
それではまた!